待ちに待った春がもうすぐそこまで来ていますね。たらの芽などの山菜やハマグリ、菜の花が食卓に並ぶようになると、季節の移り変わりを実感します。さて、今日はそんな“移り変わり”を感じる話として、今月13日に定期運行が廃止されることになっている寝台特急「北斗星」についてご紹介したいと思います。 昭和33年に登場した青い車体の寝台特急は日本各地で運行され、車体の色から“ブルートレイン”という愛称で親しまれてきましたが、飛行機や新幹線の普及とともに利用者が減少し、現在では上野と札幌を結ぶ「北斗星」が唯一、青い車体で定期運行している寝台特急となっていたそうです。その北斗星も車両の老朽化や、来年開業予定の北海道新幹線の試運転などで列車の運行が難しくなるため、廃止が決定したそうです。 飛行機や新幹線に比べると時間がかかる寝台特急を、単なる移動の手段として利用する人は多くないかもしれません。しかし、のんびりと旅を楽しみたい方、若い頃に乗った列車で思い出に浸りたい方などからは今なお根強い人気があり、廃止が決まる前も予約を取る事が難しかったそうです。昨今では、そんな移動時間を楽しむ観光列車が各地で運行され、話題を呼んでいます。ゆっくりと時間が流れる列車の旅に、今なお多くの人が価値を感じているということなのでしょう。特にJR九州が2013年から運行を開始した豪華寝台列車「ななつ星in 九州」は、乗車予約でさえも当選倍率22倍という人気ぶりだそうです。九州各地を巡って自然・食・温泉などを楽しむことができ、豪華な設備や食事、サービスは贅沢そのものだそうですよ。それでは、今月は年度末ということもあり、気忙しい時期で旅に出る余裕はないかもしれませんが、日に1度はゆっくりと一息ついて疲れをためないようにしたいものです。 理事長 山本成允
「3月のご挨拶」
2015.03.11